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お母さんのための中耳炎物語

お母さんのための中耳炎物語 ストーリー2

「ご近所さんのアドバイス」

5歳、男児T君。テレビの音を少し大きくすることから気になりはじめ、C耳鼻咽喉科を受診。すぐに両耳の滲出性中耳炎と診断を受ける。

C医師

「3カ月から6カ月で自然に治ることが多いので、しばらく鼓膜の状態を観察するだけでいいでしょう。鼻づまりや鼻水などの鼻の症状がある場合にはしばらく通院して、治してあげて下さい。鼻の調子がいいようなら、数週間に1度、耳を診せにきてもらうだけで結構ですよ。

それからというもの、だいたい月1回のペースでC耳鼻咽喉科を受診。
そんなある日、近所の井戸端会議が運命を変えた。

Rさん(近所の主婦)

「うちの中1の息子が幼稚園のときも大変だったわよ。結局2・3年くらい通院したわね。ひどいときには半年くらい、毎日通院だったわ。まあ、私も若かったし、息子の耳のことで必死だったから何とか過ごせたけれど・・・。」

T君の母親

今私が通っているところは月1回くらいの通院でいいって。それに自然に徐々に治ってくるといわれているけれど・・・。」

この何気ない発言がRさんに火をつけた。

母親の気持ち

そうかぁ、そうなんだ。こんなことではなおらないだ。もっとちゃんとしたところでしっかり治療を受けないと。将来聞こえにくくなったら、子供がかわいそうだし、私もきっと恨まれる。

この時点で、C医師の経過観察という方針は完全に捨て去られ、忘れられ、無視され、Rさん御用達のD耳鼻科を受診。

D医師

「お母さん、まあ、他院の治療をとやかく言うのはよくないので、あえていいませんが・・。今の鼓膜の状態は正直、いい状態ではありません。このまま鼓膜の状態がさらに悪くなり、慢性中耳炎になったらどうするんですか。」

T君の母親

「それも一応説明は受けていますが、通気や切開をしなくても治っていくといわれたので・・・。このままじゃダメなんですか。

D医師

「いや、それについても他の医者の治療方針を非難するのはイヤだけれども、そしたら私がここでしている通気や切開は無駄だっていうんですか。私はその治療方針で、何百人、何千人というお子さんをきっちりと治してきて、皆さんに喜んでもらってますがね・・・。自然になおるんなら、我々苦労はしませんよ。耳鼻科の医者はいらないじゃないですか。

母親の気持ち

そうだ、やっぱりそのとおりだ。この先生が怒ってくれるのは病気を治そうと真剣に取り組んで下さっているからだ。みんながそうやって苦労して耳鼻科に通院してるのに、私は楽なほうに流されたというしかない。

以来、D耳鼻科への長期に渡る通院が続くのでした。

私の意見

私の意見

これもストーリー1と同様、治療方針が異なるときによくある状況でしょう。確かにD医師の治療は現在、我が国で最も一般的に行われている標準的な治療であるといえます。多くの耳鼻科で行われている治療はまわりに経験者も多いのでより安心感が得られるという面があります。近所の方の後押しもあるようで、通院先の医師の話より周辺の方の話のほうに耳を傾けてしまうこともごく日常的にみられます。もちろん、この点は医師の責任も重く、普段からコミュニケーションが不足しがちで、相互の信頼感が構築できていないことが原因かもしれません。

ただ、客観的に申しますと、欧米の臨床研究データを論文でみる限り、次のことは断言できます。

  • 1.幼小児の滲出性中耳炎は自然治癒することが多い。
    もちろん、これは通院が必要ないという意味ではありませんので、誤解しないで下さい。
  • 2.治療は当初、Watchful waiting(またはWatch and Wait positon)といって、鼓膜の観察を続けながら、自然経過を見る、というのが欧米での治療方針といえます。

ですから、C医師の治療方針は欧米の臨床データに沿った適切さを持っているといえます。もちろん、欧米の治療方針と同等であることが「正しい」治療をしているという保証にはなりません。しかし、欧米では、小児滲出性中耳炎の治療として通気を行うことはありません。


また、D医師は「他院の治療をとやかく言うのはよくない」といいつつも、結局、思いっきり他院を非難しています。自分の医院への通院を促す、利益誘導を行っていると受け取られかねない発言となっています。

私のちょっと一言 周囲の人の言葉について

近所の人、友人、親戚など、周囲の人はご自分の経験や見聞に基づいて、いろいろとアドバイスをしてくれることがあるでしょう。それは親切心から来るもので、悪意はないはずです。しかし、その言葉を頭から信じてしまうのは絶対にやめましょう。


周囲の経験者の話は、多くの場合、ただ1人の人の経験に基づいています。例えば、ある病気で、1つの治療を受け、1週間で治った場合、それが唯一絶対の良い治療だと盲信してしまうのです。もしかしたら治療を受けなくても1週間で治ったかもしれませんし、別の治療をすると3日で治ったかもしれません。


また、その治療で1週間で治ったのはめずらしいケースで、通常は1カ月くらいかかる病気だったのかもしれません。しかし、多くの場合、自分の経験したこと以外の経過を想定することは困難です。自分の経験したとおりの経過でなければ、不信感を露にする方が多いのです。これは悪意からではないにしても、経験のなさ、無知さ、無責任さから来るものです。

多くの、大部分の医師は責任感と使命感を持って、誠実に患者さんの治療に当たっていると私は信じています。もちろん、世の中は広いですから、なかには無責任な、金儲け主義の医者がいるのでしょう。しかし、大部分のほとんどの医師は、少なくともあなたのご近所のお知り合いよりは医学的知識と経験が豊富で、責任を感じながら診療にあたっていることをこの機会にぜひともご理解いただきたいのです。

お母さんのための『中耳炎物語』

ストーリー2

「ご近所さんのアドバイス」

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